女川町夏祭りレポート
突然ですが、本題に入る前に、なぜ今回このプロジェクトに参加させていただくこととなったか、その経緯からお話させてください。
それは、本プロジェクトのホームページ上、“笑顔応援団”ページにも社名が記載されておりますが、長野にある一企業のある方たちとのご縁がきっかけでした。実は私が以前勤務していた結婚式場において担当をさせていただいた新郎新婦様でした。
担当させていただいたお式の日から約1か月後に退職を控えていた私。きちんとご挨拶しなければと思い、退職を控えている旨を伝えると、後日お2人は私のためにお食事の場を用意してくださいました。
そこで何気なく話にあがったのが、今回、私がボーカルとして参加させていただいたバンド、【ザ・スマイルズ】のお話でした。学生時代にバンドサークルに所属しており、ボーカル経験もなくはない…そんな話からトントン拍子で話は進み、私の歌声を誰一人として知らぬままに【ザ・スマイルズ】のボーカル担当が決定してしまったのです。
(お話をいただき、本当にありがとうございました!)
正直、笑顔プロジェクトのことさえよく分からぬままに参加させていただいた今回の女川町の夏祭り。自分自身、東北の復興支援として何かできることはないのか、と心のどこかにその思いはあれど、実際これといって何をしてきたわけでもありませんでした。
そして震災後1年半弱が経過して、初めて東北の地に足を踏み入れた私は、驚きました。
現地の方や、既に何度も足を運んでいる方は皆さん“とても良くなった”と仰いましたが、私が抱いた第一印象は“まだ、この地点なんだ…”というものでした。何もしてこなかった自分が情けなくなるようでした。そのような驚きとともに抱いたもう一つの驚き‐それは、女川から離れることなく歩み続ける方たちの笑顔でした。おそらく私が持ったイメージよりも遥かに凄まじい光景を目にしてきたであろう方たちは、そんなことを予想させぬくらい満面の笑みで迎えてくれたのです。
一度きりでは決して創り上げることの出来ない女川の方たちと笑顔プロジェクトとの絆を、私はそこで初めて感じました。準備段階におけるお手伝いは何ひとつ出来ていませんでしたが、ザ・スマイルズのバンド演奏を通して皆さんの笑顔が溢れれば…と1回のみの合わせ練習と出演直前までのこっそり練習を重ね、ついに迎えた本番!
■コソ練風景 |
■わっし~さんの歌声も素敵でした! |
なんだか込み上げてくるものがあり、唯一本番で一部歌詞を勝手に変えるも、そこで皆さん拍手をくださったり笑顔になってくださったのがとても嬉しく感じられました。演奏し終えた後、あるおじいちゃんの席へ焼きそばをお持ちした際、「お、さっき歌ってたお姉ちゃんかい!良かったよ~」とそこに座っていた皆さんが笑顔で仰ってくださったことがとても印象的、且つ皆さんを笑顔にしたいと望んでいたはずの自分が逆に笑顔をいただいてしまいました。
その後の現地の方も交えた懇親会も、宿でのひと時も、帰りに立ち寄った各場所でも、現実を踏まえて一歩ずつ前へ歩みを進める強さと、決して後ろ向きになることを感じさせない明るい笑顔がそこにはありました。
今回、参加させていただいたからこそ出会うことが出来た、プロジェクトの皆さんや現地の皆さん。このご縁を決して無駄にすることなく、今後もお会いできることを楽しみにしております。そして、東北支援に限らず“自分が出来ることは何か”ということを常に考え、日常生活においても一人でも多くの方の笑顔が見られるよう、その笑顔の輪がどんどん広がっていくことを願って歩んでいこうと思います。
帰りに見上げた空からは、力強さしか感じませんでした。
女川のこれからを、信じています。皆さん、本当に、本当に、ありがとうございました!
小林 由佳